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附高と断水と...

東京学芸大学附属高校の校舎は、築86年とありレトロで趣のある外観が生徒間でもかなり好評だ。その代わり、設備がボロい。今回は、そのボロさゆえの面白かった出来事を紹介しようと思う。

辛夷祭準備も佳境に入った秋のある日、首都圏で地震が起こった。幸い大事に至ることはなかったが、この地震が原因となり附高の校舎全体は断水被害に見舞われ、一時授業ができない状態になってしまったのである!しかも電車の影響で来られない人がいる関係上、授業再開までの待機時間は自習となり、辛夷祭の準備もできなくなってしまった。

したがって、学校で待機していた生徒たちの大半は暇を持て余すハメになってしまったのである。

しかし運のいいことに、当時私が所属していたクラスの辛夷祭の出し物は「カジノ」。従って、私たちの教室にはたくさんのトランプがあった。そんなわけで、暇を持て余すはずだった待機時間は一転してトランプ大会へと変わり、私たちは⻑い待機時間を勉強もせずに延々とトランプを楽しんだのであった。

でも無事にレポートの提出を済ますことができたときはかなり達成感もあった。実習は楽しかったし、レポートで苦しむのもこの高校だからこそ味わえることではないだろうか。

確かに地震は小規模ではなかったが、この地震が原因で断水したのはおそらく附高だけであろう。でもこの騒動のおかげで(?)楽しい思い出ができたので、もしかしたらこれは附高ならではの体験だったかもしれない。